田舎暮らしの記
日記のようなページです。
田舎暮らしで出会ったことや感じたことを綴っていきます。

2005/4/12




 友人のMさんが、ブルーベリー栽培を思い立った。それも半端な数ではない。2000本も植えて、ブルーベリー農園を開こうというのだ。彼女は栽培を始めるにあたって、指導者を探した。人に紹介された業者の見積もりでは、苗代も指導料も高すぎて予算に合わない。悩んだ末に、彼女は、『ブルーベリーの絵本』(農山漁村文化協会刊・「そだててあそぼうシリーズ」)の著者でブルーベリー協会(http://www16.ocn.ne.jp/~jba/ )の副会長である玉田孝人先生に手紙を書いた。
すると、その数日後、先生から直接電話があった。先生は「指導は私がします。現地を見て実地にお話したいから、稲武に行きます」とおっしゃった。指導料は不要だという。玉田先生の返事に感激したMさんは、この地でブルーベリーの栽培を始めている人たちに呼びかけ、いっしょに先生の指導を受けることにした。
 4月8日(金)、朝の5時に千葉を発ったという先生は、午前中Mさんの栽培予定地を見たあと、どんぐりの里のブルーベリー園で、実地の研修会を開いてくださった。Mさんから話を聞いた私も、デジカメを持って参加した。
 4,5年前に植えたブルーベリーは人の背丈ほどに育っている。でも、入り口のあたりの数本は、立ち枯れになっている。シャベルで根元を掘り返し、玉田先生が素手で土を落とす。「ほら、ひげ根がありませんね。ブルーベリーの特色は、ふわふわした細いひげ根なのです。このひげ根があって初めて栄養分を吸収できるのです。この根をいかに大きくさせるかがポイントなのです」
掘り返された土は、下のほうの色が違う。昔田んぼだったところにマルチを敷いたので、下のほうは、水気の多い湿った土のままなのだ。高畝にして栽培をはじめたのに、次第に全体が同じ高さになってしまい、根元がいつも湿り気を帯びた状態になってしまったというわけだ。水はけも悪く、田んぼだったころの栄養分もたまっている。
 ブルーベリーは、肥料分の少ない酸性土壌を好むのだそうだ。作物が何もできない土地こそブルーベリー栽培にふさわしい。以前畑や田んぼだったところなら、肥料分を抜いたあと、植えるといいのだそうだ。
 現地での指導のあと、どんぐり工房(この春できたばかりの交流体験施設)の囲炉裏端で、講義を受ける。以前からブルーベリーが目にいいことは知っていたが、果物では一番多く食物繊維を含み、必須アミノ酸も豊富だという。『ブルーベリーの絵本』には、アメリカに初めて移住した人々が飢えや寒さに苦しみ、次々に死んだり病気になったりしたときに、ネイティブの人たちが彼らのために届けたのが、干したブルーベリーの入ったスープなどだったというエピソードが載っている。アメリカの北東部には、ブルーベリーやクランベリー、キイチゴなど、いろいろな野生のベリー類が生えているのだという。
 講義のあと、みんなで、参加者の一人の畑を見に行く。よく手入れされた日当たりのよいブルーベリー畑だ。先生は、そこで剪定の仕方を教えてくださる。
 そのとき剪定した小枝を、私は全部いただいて帰った。そして、翌々日、ホームセンターでピートモスと鹿沼土を買ってきた。挿し木をして、畑に植えようと思いたったのだ。うちの畑には、毎年土筆がたくさん生える。土筆は酸性土壌を好むのだそうで、ブルーベリー栽培には適地だという。肥料はたいしていらなくて、農薬もほとんど必要ではないブルーベリーは、ずぼら農法を志している私には、ちょうどぴったりの植物かもしれない。 

 

2005/8/31




 玉田孝人先生が、7月29日に、また稲武に来てくださった。Mさんの畑のその後の様子を見るためだ。交流体験施設どんぐり工房で、ブルーベリーの栽培法を詳しく紹介。Mさんが東京のブルーベリーシンポジウムで出会った他町の女性も参加した。
 春に先生がお見えになって剪定の実習をなさったときにいただいた枝で挿し木を試みたところ、ほとんど全部根付いた。それで、この日、挿し木した発泡スチロールの箱ごと持っていって、先生に見ていただく。先生は、一本の苗を抜き出して、「とても細かい根がたくさんついている。優秀です。100点です。いい値段で売れますよ」と言ってくださった。居合わせた人たちのほとんどは上手に根付かなかったそうで、皆さんにもほめていただいた。
 とりたてて気を遣ったつもりはなく、ほったらかしの状態だったので、うまくいったのが不思議なくらいだ。水もあまりちゃんとやらなかった。ただ、今になって考えてみると、箱を置いた場所がよかったのかもしれない。庭先の石垣の下、雑草がわんさと茂り、露がしょっちゅう落ちて、昼間でも湿った場所においたのだ。
 20センチほどに育った苗は、大き目のポットに植え替えるように指示された。土の配合は、ピートモス2:鹿沼土1:籾殻1 の割合だそうだ。寒くならないうちに植え替えをしておこう。

 

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