日時:1997/02/11(火) 10:00
場所:羽田東急ホテル リバーサイドガーデン(羽田)
出演:桜井智/遊星王女[森谷密/橋本遊]/長崎萠
スタッフ参加:美森麗/他
日時:1997/02/23(日) 17:00
場所:シアターVアカサカ(赤坂)
出演:長崎萠/森谷密/宮川美保/森真子/猪爪直幸/針生芳光/吉本光里/籾井妙子/堀井千春/美森麗/北原マヤ/田辺志歩/近江千佳/松本裕貴/榎本誠/佐藤幸二/大森隆太/三沢幸育/大石渉/吉田和康/橋本遊
□開場
営団地下鉄千代田線赤坂駅には16時頃についた。開演は17時、ちょうどいいくらいだ。
目指すはシアターVアカサカ。初めて行く場所だ。地図は持ってきたが、方向音痴の私としてはそれでも不安だ。つい先日も、仕事で新宿に行って、地図を持っていながら迷ってしまった。我ながら、情けない(^^;;
しかし、出口案内板に「シアターVアカサカ」の文字を見つける。なるほど、5番出口が近いらしい。ありがたや、ありがたや。案内板に載るくらいだから、大きな劇場なのだろう(と、このときの私は、CFL'96のTBSホールを思い浮かべていた)。
5番出口を出て、道路に付近地図があったのでそれを見る。なるほど、道なりにまっすぐ行って、左手にあるんだな。完璧完璧。
と、歩き出した私は、目の前に一人の男の人を見つけた。容貌の説明は避けるが、あの人の行き先も間違いなくシアターVアカサカだろう。とりあえず距離を開けてついていくことにする(ストーカーじゃないぞ(^^;>私)。
おっと、左に曲がった。どうやらそこらしい。私も続けて曲がる。
おや、そこには人込みが。どこかで見たような顔ばかりだ(笑)。
入場まではまだ時間があるので、ここに来る前に立ち寄った某アニ○イトで買った「B-CLUB」でも読んで時間を潰す。今月の大特集はガンダムヒロインだ。って、そんなことはどうでもいいですね(^^;
予定では、萠ちゃんファンのF氏も来るはずだが、まだ来ていないようだ。もっとも、いつも遅刻してくる彼が来ていることなど、微塵も期待してはいなかったが。
□開演
30分ほどで、入場できた。う〜ん、めずらしい(^^)
やっぱり受付はゆーちゃんだ。シャインズのお仕事、お疲れさま。
「入場券をお持ちの方は先へお進み下さい」
うむむむむ。私は持っていない。電話受付のとき、現地で引き換えですと言っていたし。
「あの〜、チケット持っていないんですけど…」
「あ、はい、え〜と…」
少しの沈黙。何だ、この間は? 「整理番号は何番ですか?」と聞いてほしかったのだが、私が先に沈黙を嫌った。
「え〜と、121番です」
整理番号を伝える。仕事の都合で予約が遅れてしまい、こんな番号になってしまった。しくしく。
「はい。○○○さん(私の本名)ですね?」
「はい」
無事チケットGET。ゆーちゃんは忙しそうだったので、会話は避ける。
受付の隣では、グッズを売っていた。
「月光の不安」のパンフとポスター、そして「バレンタインエイド'97」のパンフの残りだ(笑)
パンフはもちろんとして、凛々しいひーちゃんの姿が拝めるポスターも迷わずGETする。ポスターなど貼りはしないのだが(^^; 各1000円。やっぱり高いな、と思うのは私だけではあるまい(^^;;
売り子は堀姉さんと、知らない子(^^; 「パンフの売り子やります」の智ちゃんはどうしたんだ??(^^;;
なけなしの2000円を払い、グッズを堀姉さんから受け取る。
「ありがとうございました〜」
さて、チケットもぎとチラシ配りを経て、いよいよ入場。
せ、狭い…。
これが第一印象であった(^^; 何人くらい入れるんだろう??
座席案内板で席を確かめる。真ん中辺のやや左寄りだ。うむむむむ。あんまり良い席とは言いかねるが、仕方あるまい。前の席とは丁度段差のついている場所であることを良しとしよう。前の人の後頭部は気にならない。
席に腰掛け、開演までパンフを読みふける。
□パンフ考察
最初は社長の「ごあいさつ」だ。なかなかいいことが書いてある。
ページをめくって、見開きの4〜5ページではストーリーが説明されているが、先に知っても面白くないので読み飛ばす。
6ページからは、出演者紹介がなされていた。
当然、先頭は今回の主役、神良るい役の長崎萠ちゃんだ。写真はこの公演の衣装姿(女子高ブレザー)の新しいものになっている。可愛い(^^) ページ下の部分は、バレンタインエイド'97のときは、各個人からのメッセージだったが、今回は朝倉先生からの言葉となっていた。私は朝倉先生の書くことが結構好きなので、読んでみる。題は「女優誕生」だ。ふむ、朝倉先生の萠ちゃんに対する愛情と期待がビシビシと伝わってくる。頑張れ、萠ちゃん。
隣の6ページ目は、準主役の山田守役森谷密ちゃん。こちらも写真は最新版。(男子生徒用の)ブレザー姿だ。うう、凛々しい(^^) 髪切ったあともしばらく、髪を切る前の写真を使っていたころもあったからなあ(笑) 先生からのメッセージは「江戸っ子」。ひーちゃん、どうやら、チカンと乱闘して救急車で運ばれたらしい。…さすが、と言うべきか(^^;
ページをめくると、るいの姉神良クリスティーヌ役宮川美保ちゃんと、ESP研究会横浜ブロック長・倉橋由利役の森真子ちゃんがページの半分ずつを分け合っていた。
宮川美保ちゃんは、以前TVでやっていた「声遊倶楽部」のPiパーズ(*1)ということで知っていた。そうかあ、エルスタッフの研究生になってたんだ。先生からは「ベールの向こう側」。役者として、心にかかったベールをどこまで演出家にさらけ出せるかといったものだ。
森真子ちゃんは、…知らない(^^; おっと、「まこ」ちゃんかと思っていたら、「まさこ」ちゃんなのか。先生からは「不思議の国の王女」。童顔の彼女はいつも子役をやらされ、今回の16歳の役を「大人の役だわ!」と喜んだとか。朝倉先生、ひーちゃんの男役といい、そういう使い方好きですね。竹中さんも結構似たような役が多いですし。
隣のページは、ようやく男性陣、ESP研究会南関東エリア長・萩原良太郎役の猪爪直幸さんと、ESP研究会南関東副エリア長・谷川健役の針生芳光さんだ。もう、朝倉先生からのメッセージはない。男に送る言葉はないということか?(^^;
猪爪さんは、「桃のプリンセス」のしょっぱなのやられ役でおなじみ(^^; 「チェリープリンセス」では、カブトバナ(トリカブト)軍団の黄カブト・新黄カブト(笑)もやっていましたね。
針生さんも、宮川美保ちゃん同様、Piパーズの一員ということで知っていた。「チェリープリンセス」でくじゃく草のトム役で出ていましたね。本人のコメントでは、「私が唄うシーンの歌は毎回違います」とのこと。…よく意味が分からないが、とりあえず気にとめておこう。
おっと、話を戻そう。
さらにページをめくると、ついには1ページで4人紹介×4ページとなってしまっていた(^^; 主要な2人だけ抜き出そう。
ESP研究会川崎ブロック長・富岡多恵役の吉本光里ちゃん。知らない(^^; 本人のコメント「16歳、現役女子高生です。友達はいません」。……(^^;;
不良・日舞女生徒役の美森麗ちゃんはもうおなじみ。遊星王女の「+1」である。実は以前はあまり好きではなかったのだが、最近は気になっていたりする。ちなみに朝倉先生は彼女を紹介するとき、“「腕が折れた」の美森麗”と紹介している(笑) もはや枕詞に等しいな(^^)
さて、パンフレットに戻ると、次のページは待ってましたの彼女のページです。
そう、あるときは笑わせることに命を賭けるコントデュオの片割れ、またあるときはどんな役でもこなす舞台女優、またあるときはベタベタのアイドルソングを恥ずかしげもなく歌うアイドル歌手、またあるときは「次期社長候補」とまで噂されるシャインズの一員、しかしてその実態は、同人誌まで出してしまう橋本遊画伯のマンガのコーナーです。
タイトルは「守くんは今日もりりしいのだっ!!」。“相棒としてすこーしヒイキなページです”だそうだ(^^) 相変わらず、ゆーちゃんの絵は可愛い。「噛まれたいか思う人ッ!」の吹き出しで「ハーイ」と手を挙げるセンスが好きだ(*2)。でも、針生さんは似てないんじゃないかな〜、なんて思ったりして…(^^;;
パンフレットの残りは、智ちゃんからの先輩としての励ましのエールと、朝倉先生の「月光の不安ノート」。なかなか考えさせられる一文です。「それだけが、なぜか、淋しい」。なんか、この言葉好きだなあ。
制作スタッフにもなかなか興味がそそられました。
「制作」にゆーちゃんというのは以前にもありましたが、舞台監督に竹中伸一さん(*3)、演出助手には岩瀬裕二さんや佐藤義昭さんの名前が見えます。舞監助手は、「桃のプリンセス」で猪爪さんとダブルキャストを果たした、堀姉さんの弟堀祐治さんです。皆さん、役者としてだけではなく、色々な分野で頑張っているのですね。これも演技の幅を広げるためでしょうか。見習いたいものです。
そして、(ほとんど)最後のページ。エルスタッフインフォメーション。そこには、「長崎萠ファンクラブ始動!」の文字が! 今春活動開始予定ということは、恐らく4月21日のシングルCDデビューと合わせてのことでしょう。
遊星王女後援会は〜?(泣)>社長
□前説
と、嘆いている内に時間も過ぎ、どうやらいよいよ始まるようです。
あれ?
舞台に出てきたのは朝倉先生と智ちゃん。
「前説担当の朝倉薫と桜井智です」
なるほど納得。
それにしても、ホント、先生出たがりですね(笑) 本人は「顔覚えてもらおうと思って」とか言っていましたが、もうすでに結構有名だと思いますよ(^^)>朝倉先生
その上、智ちゃんのフォローが、
「ラジオ番組に送られてくる手紙でも、“朝倉先生ってどんな人なんですか?”とか、“朝倉薫先生って女の人だと思っていました(^^;”っていう手紙がよく来ますよ」
場内爆笑。フォローに全然なってない(笑)
そんな二人による、ボケとツッコミをまじえた色々な案内と説明が7分ほどあって、さあ、いよいよ舞台の開幕。
とうとう、両隣の席の人は来なかった(*4)。これは楽にできて嬉しい。
場内が暗くなり、まずは状況説明のようなモノローグで始まる…。
□予告編
…って、ストーリーを追うのは大変だし、覚えていないから、やめよう(^^;
ストーリー説明ははチラシとパンフから引用させていただきます。この部分が引用部分です。では、どうぞ。
まずチラシより予告編(?)を。
'97年2月X日、深夜、横浜港に停泊中のルーマニアの貨物船トランシルバニアから、2体の棺が、折からの嵐にまぎれて陸上げされた。
「結界がやぶられたか…」
吸血鬼到来の非常事態を感知したのは、1500年の伝統ある山田古神道の老師とその孫、山田守16歳(森谷密)のみ。
300年毎にに日本にやってきては、16歳の美少女の生き血をすすり生きながらえている吸血鬼。
山田一族は、その吸血鬼と闘う為に代々技を語り継いできたのだ。本来なら、今回到来した吸血鬼と闘うのは、守の父であったが、10年前、ヨーロッパ旅行の途中、車の事故で命を落していた。
「守、奴らと闘えるのはお前だけなのだ。頼むぞ」
翌日、横浜の女学校に一人の美少女が転校してきた。彼女の名は、神良るい16歳(長崎萠)。
今となっては「今更」ですけど、初めて見たときは、「また、ひーちゃん、守くんか(^^;」と思った。まあ、イメージ付けには全部同じ名前というのは絶大な効果ですが。もう、「守くんといえばひーちゃん」ですからね。
「神良」は何て読むのか迷った(^^; 「かぐら」は「神楽」だしなあ。「かむら」? 「かみら」? 結局、ただ単純に「かみよし」であった。あー、悩んで損した(^^;;
□プロローグ
闇の中、激しい雨と雷鳴。どこからともなく声が…。
「結界が破られたか」
老人の悲痛な声。答えて、
「横浜港です。嵐にまぎれてまがまがしい者たちがこの国へ」
凛々しい少年の声。
1500年の伝統を持つ、山田古神道の継承者、山田守(16)と、その祖父の声だ。
ここではまだ舞台は暗転したままです。
守の祖父の声は竹中さん。声だけの出演です。これはテープに録音したものでしょうか?
□一景
港が丘高校、ESP研究会部室。午前2時、山田守に召集されたESP研究会連合の関東エリアの代表たちが集合した。
守はそこで、吸血鬼の到来を告げる。
「ホラー物って大好き」と面白がる川崎ブロック代表の富岡多恵、
「そんな話は、明日の放課後にして」と怒る横浜ブロック長、倉橋由利、
「スプーン曲げや空中浮揚に興味があっただけで、吸血鬼だなんて」と弱腰の南関東副エリア長、谷川健、
「山田と一緒に戦うぜ」と、いきがる南関東エリア長、萩原良太郎。
ESP研究会ですが、劇中では「サイ研究会」と呼ばれていたような。PSYCHIC(超能力)なのか、SCIENCE FICTION(SF)なのかは判断に苦しむところですが、恐らく前者でしょう。
舞台では、まずESP研究会の幹部のエリート4人が登場します。谷川と多恵は完全な賑やかし(^^)、詰め襟を着込んだ萩原を演じる猪爪さんは、桃プリでの情けない役しか知らなかったせいか(^^;、やけに格好よく見えた(^^)
で、ひーちゃん演じる守が登場。学生で男役なのだが、衣装は定番の学ランではなく、ブレザーであった。しかし、こちらもなかなかお似合いである。格好いいぞ!>ひーちゃん
□ニ景
神良家の居間。午前7時。
帰国子女のるいは、転校初日、姉のクリスに、いろいろと注意されるが、
「姉さんこそ、あまりいたずらしないで下さいね」
と、何やら、いわくあり気な姉妹。
神良るい。トマトジュースが好きなおちゃめな吸血鬼(^^)
う〜ん、クリス役の美保ちゃん、なかなかうまい。
□三景
丘の上の公園。午後4時頃。
富岡多恵と倉橋由利、山田守にるいを紹介する為に連れて来るが、守のとんでもない発言に、るい、怒って帰ってしまう。
残された守と谷川たちの前に、不良集団が出現。守は見せてはならない念動力を使い、不良を追い払うが…。
さて、守くんの“とんでもない発言”とは?(^^)
守がるいに近づいて、こう言います。
「君、処女かい?」
――パチン!
一瞬遅れて、るいの右手が華麗に宙を舞いました。
いいなあ、このシーン(^^)
あまり痛そうに見えなかった(^^; ということは、本当は痛かったに違いない。
それにしても、いくら純潔の乙女が吸血鬼に狙われるといっても、それはあまりにもデリカシーがなさすぎるぞ(^^;>守くん
で、多恵と由利は怒って帰ってしまったるいを追いかけ、残された男3人は、
「守、あれはお前が悪いぞ」
という会話をしながら帰ります。
と、その道中。数人の不良が3人を囲みます。
その不良の中に、麗ちゃんが。…違和感ないぞ(^^; 麗ちゃんにコギャルというのはハマリ役だと思います(笑)
で、やってることが、わざとぶつかってきて「いった〜い、腕の骨折れた〜」(笑)
こらこら、やることはコントと一緒ですかい(笑) しかも、折れた腕をぶるんぶるん振り回すんじゃないっ(笑)
いやあ、笑えました(笑)
結局、弱っちろくて役に立たない萩原と脅されてすぐ金を出そうとする谷川を尻目に、守が念動力を使って追い払うのですが、印を結んで気合を込めるひーちゃんの姿もまた凛々し(^^)
□四景
山田家の道場。
秘めた力を他人に見せてしまったことで、心配する祖父。
「お前しかおらんのだからな、奴等と闘えるのは…」
あんたはどうなんだ? と、爺さんに突っ込んではいけないのだろう、やはり(^^;
それにしても、守の両親は「事故で死んだ」ってことになってるけど、殺されたんじゃないかなあ?
□五景
神良家の居間。
姉クリスに山田守との出会いを報告するるい。
姉のからかいに、るい、心細い心境を打ち明ける。
「300年ぶりに入れ替える血は、最高の血でなくてはならない。16歳の少女が僕に恋して、恋いこがれて、血管が破れそうなほどに燃え上がり、成熟したワインのように…」
腐りかけた身体の中の血を呪うるい。その瞳が怪しく輝く。
そう、るいは自分を「僕」と呼ぶのです。時折ですが。そのときには口調も男っぽく変わります。
まさか、男…?
と思っていたら、両性具有ということでした。おやおや、これはどういう伏線だ?
□六景
その1 幻想の世界。
時は江戸、八百屋お七は、火事で焼け出され、身を寄せた寺で、美少年の吉左と出逢う。
指にささった刺を抜いてくれと頼まれ、お七は恥ずかしさをこらえて、吉左の腕をとり、刺を抜いてやる。
目と目があったその瞬間にお七の心は吉左のとりことなる。
だが、その吉左は、300年毎に日本にやってきては16才の生娘の生き血をすすって生き延びる吸血鬼の仮の姿であったのだ。
その2 場面は一転、女子校のクラブ活動。日舞のおさらい会。
発表会で幻お七の主役をもらった倉橋由利は、お稽古中も、るいのことを思い、先生に叱られる。
稽古場を逃げ出した由利は、校舎の隅でるいに思いを打ち明ける。
るいの胸に抱かれ、幸せな由利、そこへ何も知らない富岡多恵が…。
「みたわね、多恵」
るいの瞳が赤く光った。
まずは萠ちゃん演じる吉左と、ひーちゃん演じる八百屋お七の、藤間流日本舞踏のシーンから始まります。このキャスティングが伏線となるのでしょう。ということは、守は…。
しかし、さすが「舞踏」なだけあって、セリフは一つもなし。うう…、私の頭では踊りの内容は理解できない…(^^; 300年前のことなのだろうとは分かりましたが、後からパンフのこの文を読んで、ようやく理解した(^^;
続いて、和服女性数人による踊りの授業風景。
ゆーちゃんの「わたくし橋本遊もワンシーンだけ出てるんですョ、実は」はここだったんですね(^^)
ひーちゃんも萠ちゃんもいないので、ずっとゆーちゃんばっかり見てました(^^)
う〜ん、和服姿で踊るというのは、なかなかに色っぽい。
しかし、これはどういう演出意図なのだろう…??(^^;;
さて、パンフのストーリーでは、この後由利がるいに告白することになっていますが、実際は麗ちゃんが演じる名も無い女生徒がその役となりました。この後も由利が出てくるので、この方が確かに自然ですね。
□七景
月明かりの夜道。
るいと別れ、倉橋由利を送る途中の守、由利に意外な告白を受ける。由利はるいに恋してしまったというのだ。
「だけど、るいが好きなのは、あなたなの」
驚く守。
これは十景の前のシーンになっていました。確かにその方がストーリー的に無理がありません。
しかし、同じ場所に留まったままで歩く真似というのはマヌケですねえ(^^; 他に演出方法はないものでしょうか(^^;
□八景
丘の上の公園。
富岡多恵の自殺を知って、ショックの守、谷川、萩原。
「守ってやれなかった」
くちびるを噛む守。
「富岡の自殺が吸血鬼と関係あるのか?」と萩原。
そこへ、打ちひしがれた由利とるい登場。
「こんな時に何だけど、るいをESP研究会へ入れて欲しいの」
由利は守に頼み込む。
守はるいの入会に快く応じます。
「近くにいる方が守りやすい」
とは萩原の言葉。
どうしてるいが吸血鬼だと気づかないんだ?、と正体を知っている我々からしてみればそう思うのですが、それはやはり向こうの方が一枚上手なのでしょう。
□九景
月明かりの夜道。
るいに招かれて、家に遊びに行く谷川と萩原。不良に囲まれる。
「100年も生きられないくせに、命を粗末にするんじゃないよ」
るいの口から驚く言葉が。
殴りかかる不良たち。激しい怒りで不良たちを叩きのめするい。唖然とする谷川と萩原。
さて、三景と同じ状況です。やはり男二人は情けないです(^^;
今回は守に変わってるいが戦います。いや、戦いと呼ぶほどのものではありません。あまりにも一方的すぎて。
「腕が折れた」のコギャル麗ちゃん、三景の伏線を受けて、るいの超能力によって、腕をもぎとられてしまいます。
麗ちゃん、作り物の腕を引き抜き、
「きゃ〜! 腕が取れた〜っっ!」
お見事! 二段落ちでしたか(^^)
□十景
由利を送る途中の守、まがまがしい怒りを感知する。
「るいさんがあぶない!」
るいの家へ急ぐ守。
「守くん、るいを守ってね!」と由利。
だから何故、「るいさんがあぶない!」なんだ?(^^;
るいが狙われる可能性しか考えてないな(^^;;
□十一景
神良家の居間。
一足遅く、既に谷川と萩原は魂を抜かれ、クリスの餌食となってしまった。
守はるいが吸血鬼であることを知る。
「君とは闘いたくない!」
そう叫ぶ守だが、るいは容赦なく守を攻撃する。
傷つき、ボロボロになりながらも、るいに叫び続ける守。
「人間としてわずか50年でも人を本当に愛しながら生きることはできないのか!」
守は傷ついた胸をさらけ出し、自分の秘密を明かす。
「僕も君と同じ…」
るいは、両性具有者として同じ宿命にある守に、
「守、僕と一緒に千年の時を、いや、一億年の時を生きてみないか!」
と呼びかける。
淋しそうに首を振る守。
「なぜだ!? 守」
「私は…人間だから…。わずか50年でも本当に人を愛して死にたい…その人が…たとえ、吸血鬼でも」
倒れる守。
静かに、守の首筋に唇を押しあてるるい。
その頭上に炎上する壁が崩れ落ちる。
さて、いよいよクライマックス、守vsるい です。
と、その前に。守は知りませんが、守の祖父はクリスによって殺されています。そして、クリスの口からは、守の両親を殺したことが語られています。
舞台は神良家の居間。
催眠術によるものか、もう正気を保っていない萩原と谷川は、クリスによって屋敷の奥へと連れて行かれます。
そこに、守が神良家へと到着します。
「ああ、無事で良かった」
出てきたるいの姿にホッと一安心。
「萩原と谷川は?」
「もう帰ったわ」
玄関先での会話に嘘を言うるい。
守は「奥に上がって」との、るいの誘いを断れずに、居間へと上がります。
クラシックのBGMに紛れて、微かに響く二つの悲鳴。守はそれに気づいたのでしょうか。
「やっぱりおいしくなかったわ」
奥からクリスが登場します。守の存在に気づいて、慌てて言葉尻をごまかします。
「そう、あなたが山田守くんなの。るいをお願いね」
しかし、結局、守はるいの正体に気がついてしまったのです。
「萩原や谷川たちを返してくれないか?」
「いつ気づいたの?」
「まさかとは思っていたけど、悲鳴が聞こえたときに確信した」
こうなっては、るいは守を殺すしかありません。執拗な攻撃で守を狙います。
しかし、服を切り裂かれ、とうとう上着はなくなり、胸にさらしを巻いた姿をあらわにしても(*5)、守はるいの攻撃に反撃することができません。
「どうして、戦わないの?」
るいは戸惑ったように問います。
「私はあなたの敵なのよ!?」
その一言で、守に対するるいの気持ちが伝わってきます。
きっと、るいは守に倒されることを望んでいるのでしょう。
しかし、それを知ってか知らずにか、守は言います。
「戦えないよ。君は僕と同じだもの…」
るいは両性具有です。ということは、守もそうだということでしょう。私は守は女かなと思っていたのですが、ちょっと違ったようですね。
しかし、それをるいの姉が邪魔します。
「あなたが殺せないのなら、私がやってあげるわ!」
「やめて、お姉様!」
妹の制止も聞きません。
が、それに立ちはだかるは、彼女に殺された、守の祖父の亡霊。
二人の戦いに、守もるいも手を出すことができません。
そして、消滅。
「お爺ちゃ〜〜〜ん!!」
「お姉さま〜〜〜!!」
しかし、二人が還ってくることはありません。
満身創痍の守は、傷つき倒れながらも、るいに抱かれて願います。
「萩原や谷川たちを返してくれ…」
最期まで、仲間の身のことを案じる守。
その二人の頭上に屋敷の壁が倒れてきます。
るいが超能力でその壁を支え、遂には押し戻します。
しかし、もう守がるいの返事を聞くことはありませんでした。
息を引き取った守の身体に、るいがブレザーの上着をかけてあげます。
そして、去っていきます。一度も振り返らずに。
るいと入れ替わるようにして、萩原達がやってきます。るいが守の願いを聞き入れたのでしょうか。きっとそうに違いありません。
しかし、彼らは倒れている守を見つけます。
「リーダー…」
が、守もまた目覚めたのです!
喜び、抱き合う5人。
守の胸には、るいの上着がしっかと抱きしめられていました。
そして舞台は暗転してモノローグ。
「今日は転校生を紹介します。神良るいさんです」
□カーテンコール
というものでした。
正直言うと、安直なラストにはがっかりさせられた反面、ホッとした面もあります。
どうせなら、最後のセリフは先生の紹介に続けて、るいちゃんのセリフで終わらせた方が良かったんじゃないかなあ?
「神良るいです。よろしくお願いします」
とかで。
るいちゃんには、短くてはかなくても素敵な恋に生きて貰いたい、と切に願います。
物語自体はそれで終了し、最後はキャスト全員揃っての「憧れに向かって」です。
この曲はCFL'96でも使われましたが、締めの一曲としてお似合いで、大好きな歌です。踊りを見てると楽しくなってくるんですよね。
でもやっぱり、舞台の左半分が男、右半分が女で別れるときは、ひーちゃんは左側なのね(^^;;
そして、いよいよ終幕しますが、盛大な拍手に応えて、キャスト全員でカーテンコール。
先生と智ちゃんが、萠ちゃんとひーちゃんそれぞれに、お疲れさまの花束を渡します。
で、今度こそ本当に幕は閉じてしまうのですが、まだ拍手は収まりません。
その鳴り止まない拍手に再度応えて、萠ちゃんが出てきてペコリと頭を下げました。それだけで袖に引っ込みます。
このときの場内のざわめきは、喋ってほしかったからに違いないと思うのですが(^^;
□花
さて、帰り際の話。
受付席にいるゆーちゃんに、
「ゆーちゃん、綺麗だったよ!」
とご挨拶。
「ありがとうございます」
いえいえどういたしまして。
何の花か分かりませんが、テーブルの上には花束がぎっしりと並んでいます。邪魔なのか(^^;、ファンサービスか、欲しい人に配っているようです。
ゆーちゃん、その中から一束取り出して、
「あ、お花いりませんか?」
その花束を私に差し出します。
勿論、それを受け取らないわけにはいきません。
「あ、ありがとうございます」
こうして、私が初めて見た舞台(除ミュージカル)「月光の不安」は終わったのです。